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2006年6月27日(火)
【ドリンクチョイスならではの秘蔵酒】 酒楽愉人が書くBlog これまでの酒楽愉人 

モルトBARや焼酎BARなど 『一つの種類のお酒』 に特化したBAR は幾らか見かけることもある。しかし、モルトウイスキーの中でも 『一つの銘柄 ”カリラ”』 に特化したBARは only one の存在だ。渋谷駅南口から徒歩3分、R30世代にとっては貴重な地域に ”BAR CAOL ILA (バーカリラ)” がある。
バックバーはアイラモルト”CAOL ILA” で埋め尽くされている。80本以上が常備されており、開栓してないものを含めると150種類にもなるとか。勿論、品揃え日本一である。オーセンティックな雰囲気 の中、最初の1杯は 「お疲れさまですっ。」 という小林氏と依知川さんの声からスタート。これが リラクゼーションとアイラ海峡への誘い(いざない) となる。

『何故 ”CAOL ILA” なのか?』 に ついて伺うと、 「BARは横文字のお店が多いですが、それでは伝わらないかと。自分のキャラ以外で、記憶に残らせる何らかのコンセプトも大事かと思いまして。」 と マスターの小林氏。 「正直、BAR小林 でもよいかと考えていました。カリラは1番好きなモルトというだけで。」 軽やかにして繊細、出過ぎずツボを心得た接客は、様々な動機を持つ客へのオールマイティな対応を予感させる。
数多くの”CAOL ILA”を目の前にして、何から飲めばよいのか。 「そりゃ、オフィシャル です。オフィシャル が苦手であれば、カリラは合わないでしょう。オフィシャル を基準として好みを言って下されば・・・。」 なるほど、後は 『年齢』 や 『育ち』 の違いを愉しみながら飲むことが出来るというのか。
驚くなかれ、”BAR CAOL ILA ”では、年間100本以上の オフィシャル が空瓶となる。

小林氏が好きな CAOL ILA
(左から サマローリ社1993年発売、サマローリ社1989年発売、シグナトリー社2005年発売、シグナトリー社1991年発売、旧オフィシャルボトル15年)
「柔らかいカリラが好きです。」 マスターが好きなカリラはこの5本。
シグナトリー社1991年発売 : 「カリラの特徴として、塩辛さ、スモーキー、ピーティー、力強さ、甘さの五角形パラメーターがあるとすれば、広く均等に拡がっている。カリラの良さが平均点の高いところでバランスがとれている。」
旧オフィシャルボトル15年 : 「これまで飲んだカリラで抜群、一番旨い。」
高価なカリラを少〜し飲みたい方、色々なカリラを飲みたい方は 『ハーフで』 お願いしてみよう。

モルト通を自認される方に
(左から シグナトリー社2005年発売、マーレーマクダヴィッド社カスク、ハイスピリッツ社1975年)
「 『ドライでシャープ』 という先入観を持っている方も多いですが、カリラには甘さの要素が入っているんですよ。丸いイメージが。」 と マスター。 何かの本で得た知識を、自分の舌より信用する方には、この3本。
マーレーマクダヴィッド社カスク : 「アイラフェスティバルのブースで樽から直接そのまま瓶詰めしたもの。デザートワインのような あまったるさ がある。ペドロヒメネス樽に依るものではないかと。」
ハイスピリッツ社1975年 : 「75年蒸留なのに、60年代蒸留品の特徴である 『南国フルーツのフルーティーさ』 が残っている。」
”一期一会”。 「蘊蓄を聴きたい人用に勉強はしてますけど、こちらから染めようとか、押しつけよう、なんてことは考えちゃいません。」 カリラは オフィシャル のバリエーションが少ないので、必然的に ボトラーズ のカリラが多くを占有する。ゆえに、今夜出逢えたカリラに再会できる、とは限らない。換言すれば、或る日思いがけないカリラに遭遇できる、のだ。

ジンフィズ
”BAR CAOL ILA” では、カリラだけでなく、客の半数がカクテルを飲みにくる。「バーテンダーのスタートはカクテルだった。」 というマスターに ”ジンフィズ” を創っていただいた(カクテルのベース : タンカレージン)。
カクテル=シェイクというイメージを持つ人も多いだろう。 「最近のカクテルレシピは誰が創ってもそれなりの味が出るような気がします。シェイクでなくビルドで創るカクテルもかなり難しいんですよ。昔からあるスタンダードカクテルはシェイクが非常にモノをいう、とは思いますが。」 と話すマスター、これほど手首の柔らなシェイクはお目にかかれるものではない。ジンフィズが美味しければ、他のカクテルは当然美味い。カリラを飲む男性の連れが 『何かオレンジで』 と頼む光景はよく見られる。
”親しき仲にも礼儀あり” 素っ気なさの奧に垣間見えるこの愉人の魅力は、 「自分は(体裁を)つくってないですから。そういうバーテンダーは多いですけどね。 カウンターの中と外で変わる必要はないと思っています。バーテンダーである前に人間ですし、それでも人は変わっていくものですから(笑)。」 姿勢そのものにあるようだ。

カリラ、”CAOL ILA”。 ゲール語で、”CAOLは海峡”、”ILAはアイラ島”の意。お客の80%がR30世代の男性という男塾BAR。マスターの小林氏とメインスタッフ依知川さんの絶妙なサイドチェンジ、言葉のパス交換も見逃さずに。
住所 : 東京都渋谷区道玄坂1-13 3F TEL:03-5428-6184
営業時間:19:00〜6:00 (日曜、祭日は19:00〜0:00)
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