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2006年8月22日(火)
【ドリンクチョイスならではの秘蔵酒】 酒楽愉人が書くBlog これまでの酒楽愉人 

ダンディズム、19世紀初めに英国上流階級の若者間で流行したおしゃれ哲学である。
麻布十番、下町情緒が根付きながらも六本木ヒルズを近くに臨む。老舗の蕎麦屋や煎餅屋が立ち並ぶ中、お洒落な飲食店が静かに門を開け、老若男女から外国人まで様々な人々が行き交う。
”隠れ家” を謳った店は数多く存在するが、”Maeda Bar” は 『隠れ家的』 の域を出ており、もはや『隠れ家』 そのものになっている。勇気を出して店内に入ると、笑顔で迎えてくれたのはマスターの前田氏、経験年数20年超のベテランバーテンダーだ。
バーテンダーになった ”きっかけ” を伺うと、 「学生時代のアルバイトですね。若い頃は誰しも 『異性へのパワー』か『怒りのパワー』な訳で・・・私は前者ですよ(笑)。」 落ち着いた口調の中にもユーモア溢れる人柄が、店内の随所にも反映されている。
「 ”たかが酒、されど酒” ですよ。”たかが酒”の場面も、”されど酒”の場面もあるかと思うんです。”その幅をどれだけ拡げて遊べるか” ではないでしょうか。」
そんな姿勢から生まれたのが、”Barman's Nose” だ。

Barman's Nose ”足した山崎”
敢えて蒸留酒だけの組み合わせ。ジュースが入っては代わり映えしなくなる、との考えから 『つなぎ』 が加えられない。”Maeda Bar” では、”足した山崎” を含め、5つのMENU(”Barman's Nose”) が存在する。
”山崎” と ”ラフロイグ” の組み合わせ? マスターは少量の ”ラフロイグ” を注いだ後、”山崎” を加え、ステアした。「スパイス的なもの、特徴のあるものを決めておかないと、味がブレるんですよ。餃子のタレ(醤油、ラー油、酢)もそうでしょう。二度同じものを創るためには。」
味わいは”山崎”でもなく、”ラフロイグ”でもない。「シェリー樽?こういうお酒が他に在ったような・・・。」 そんな気さえする。同時に出される”山崎”と飲み比べることで、味わいと余韻の違いを愉しめる。
「昔のBARを創ってきた先輩達は闘ってきた。『特別の空間』 という場だけでなく、『上等なお酒は割ってはいけない』 だとか。でも、これからは少し崩していってもいいんじゃないかと思うんですよね。」

New Kids
マスターの得意分野はカクテルだ。ワインブーム以前に、フランス料理店でカクテルを創っていた経験が、現在に繋がっているという。そう、ワインでなくカクテルで ”マリアージュ” を実践していたのだ。
「どれだけいろんな方と長くお付き合いできるのか。そういう信頼関係を築きたいと考えています。好みを把握できれば、そんなに外さないものを創る自信はあります。」
”NEW KIDS”、命名の由来には、『EAGLESの曲 ”NEW KIDS IN TOWN”から』 という説と、『”UNICUM”のソーダ割りが好きなお客様、木戸さんから 何かこれで創って、と頼まれた時に生まれたから』という説 がある。
飲み口は苦酸っぱい。二口目から優しい口当たりに。すっきりした苦味は飲み疲れた男性に人気、最近は女性からの注文が増えているというのも頷ける。

傷だらけの天使
”ゴードン”+”ズブロッカ”+”ライムジュース”、これまた異色の組み合わせである。
「カクテルは邪道でも美味ければいい。『新たな個性』 が生まれたり、『愉しめる何か』 が出るならば邪道も王道も無いのではないかと。」 とマスター。
”傷だらけの天使”、命名の由来は、70年代のテレビドラマ から。主人公の住まいはビル屋上のプレハブ、マスターはそんな生活に憧れていたが、10年前に図らずも同様の生活をした経験がある。其処で寝ている間に思いついたのがこのカクテル。
ジン臭さは程良く抑えられ、ズブロッカ の桜餅風味が後に香る。優しい ギムレット のようだ。
「若い頃、キレ味系のカクテルは尖った味しか出せませんでした。歳を取るごとに優しい味になってきましたね。逆に作ろうと思っても作れなくなりました。最近は照れるようにもなってきましたよ。少し前までは『キミの瞳に乾杯』とか表情崩さず言えたんですがね。」

ダンディズム、おしゃれに限らず、生き方も含めた「男の美学」である。
住所 : 東京都港区麻布十番2-7-14 azabu275 2F TEL:03-5439-5727
営業時間:19:00〜3:00(〜1:00日祝) 定休日:第四日曜
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