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2006年9月3日(日)
【ドリンクチョイスならではの秘蔵酒】 酒楽愉人が書くBlog これまでの酒楽愉人 

”銀座でBAR”、若干の緊張を覚えるのは私だけではあるまい。普段の飲み方で恥をかかないだろうか? 心配は要らない、”トチの木”は暖かい。
銀座8丁目、看板もなく、知っていなければまず入れない。重厚感の漂う扉を開けると、一枚板のトチの木が。 如何にして店内に運び入れたのだろうか、そんな 『驚き』 と 『ぬくもり』 から始まるのが ”TOTI ni BAR”だ。
バックバーには吟味して選ばれたモルトが左側に、お客のわがままにも対応してくれるだろうリキュールが右側に並ぶ。カウンターに座り、MENU片手に思案すると、もう一方の手は自然と”トチの木”に触れている。
オーナーバーテンダーの田村氏は、横浜で4年、銀座で4年半修行の後、銀座8丁目で開店して4年目を迎えた。若くして独立したことと、その実力から フードビジネスプロデューサーとしての執筆 も。
”除如林”=静かなること林の如し、マスターの接客はトチの木と同様に穏やかで優しい。
「28歳で独立するときには、「まだ若い」、「失敗する」etc 身内や先輩方等には期待されませんでした。その逆境に立ち向かって今でようやく3年。お客様に育てられ、支えられ レールに辿り着いた状態ではありますが、その日その日を模索しています。まだまだ満足しておりません。」
敢えて看板を出さない理由を伺うと、 「”トチ”は知る人ぞ知る店としてそうあり続けたい。そしてトチにいらして下さったお客様を大切に考えて行きたいからです。一見のお客様でも無論扉を開けてくださった方々はすべて大歓迎しています。そしていつでも最大限の hospitality mind で対応させていただきます。」 と マスター。
ルージュ ミモザ
MENUは月替わりで、初めてでも注文に困ることはなく、通い慣れた客が飽きることもない。その一つである”ルージュ ミモザ”、こだわりのトマトジュース と シャンパン の上品なハーモニー。普通のトマトジュースではこの味は出ない、負けてしまうだろう。トマトジュース単体の注文も多いという。
”侵掠如火”=侵略すること火の如し、行動力が実を結んだ トマトジュース。
「BARは非日常的な空間、家では飲めないトマトジュースを提供したいと考えていました。お客様の評判がとても良いので、アポなしで生産者を訪ねました。台風の時期で畑までは観れませんでしたが、先方とは良い関係を築くことができました。」
TOTI ni BAR では ”ブラッディーメアリー”にもこの トマトジュース が使用される。

春うらら
マスターはカクテルコンペティションに毎年出場している。この”春うらら”は2005年特別賞を受賞した作品だ。味わいは柔らかくフルーティー、春にふさわしい小さな恋の予感を甘酸っぱく表現している(カクテルベース : バカルディラム、ストロベリー、カシス )。
”疾如風”=速きこと風の如し、マスターのシェイクは独特だ。
接客が穏やかだけに、”疾風”のようなシェイクには強い主張を感じる。
「シェイクは銀座に来てから定着しました。カクテルは、”ダイキリ”、”ギムレット”を恐れず創れるようになった段階で自信を持ちました。」
独立前後でカクテルへの姿勢が変わったかどうか、を尋ねると、
「独立前は接客や技術的な事も勿論でしたが、とにかくカクテルを作る事に夢中でした。独立してからは、1個のカクテルにも一生懸命ではありますが、”お客様のご要望をしっかりと応えられるように実践すること” を1番に考えております。」

マティーニ
カクテルは 『マティーニに始まりマティーニに終わる』 とまで言われる。また、『マティーニにはバーテンダーの技術・歴史、すべてが反映される』とも言われる。”KING OF COCKTAIL” の威名を持つ 世界で最もシンプルなこのカクテルには300近いレシピが存在するという。田村氏のマティーニは、The Best Of MARTINI Book にも 掲載されている。
マスターのマティーニは、「”ジンが効いたドライな中にも優しさを表現したい”」 というコンセプトに基づいている(カクテルベース : ゴードン、ノイリープラット)。
ジンに ”ゴードン” を選択する理由を伺うと、
「自分のマティーニに合うと感じたためです。代表的なジンを味の重さ順に並べると、ブードルス、ボンベイサファイア、ゴードン、ビーフィーター、タンカレーになると思っています。タンカレーでは軽すぎますし、ブードルスは私のマティーニには少し重い感じがする。”ドライな中にもジンの持つ個性と暖かみ”、そして喉越しがグッとくるもの、ということなると ”ゴードン” になりました。」
グラスはコンセプトに合うよう優しい形状、オリーブは時期限定で小豆島産を使用している。
”不動如山”=動かざること山の如し
「味がブレないようになったのは”トチ”に来てからです。『ステアは15回転目で』 とかありますけど、回数そのものより 『−20℃のジンを飲み頃の温度まで上げる間に香りを感じながら”仕上げる”』 ことの方が重要だと思います。」
マティーニの注文には緊張しますか? の問いに
「マティーニだけでなく常にドキドキしてます。独立したからといって技術者として完成した訳ではありません。経営者という立場の業務が増えただけであって、仕事に関してはスタッフと共に今でも研究しています。」

ソースから手作りするFOOD MENUも豊富。カウンター8席だけでなく、最大15名、8名で利用可能な個室もある。
「お客様の『酒場』という定義を考えたとき、『お酒を愉しく飲むところ』だと思います。そうであれば、1番に優先するのは”お客様が窮屈でなく愉しく飲むこと”だと考えています。」
”TOTI ni BAR”、発音はしないが 『ni』 はアイヌ語で『木』の意。此処にあるのは空間としての”ぬくもり”だけではない。
住所 : 東京都中央区銀座8-5-19 園枝ビル B2F TEL:03-6215-8820
営業時間:18:00〜4:00 (〜23:30 土) 定休日:日曜、祭日
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