TOPICS |
|
2006年10月10日(火)
【ドリンクチョイスならではの秘蔵酒】 酒楽愉人が書くBlog これまでの酒楽愉人 

世の中、理不尽だらけである。
日本のBARは、『BAR』 という看板を掲げていても、中身は若者向けのスナックであったり、英国にありがちなパブリックハウスの日本版であったりすることが少なくない。
BARへ行き、次のような ”疑問と疲弊”に出会(でくわ)したことはないだろうか?
”常連に話しかけられ気を遣う、話しの聞き役にされる。”
”何処の店でもその店それぞれの高揚感(空気感)に巻き込まれる。”
”飲んだことのあるレアモルト自慢& 蘊蓄(うんちく)、物や肩書き自慢が聞こえてくる。”
『独りで酒に向かい合いたいだけなのに・・・』、貴方の理想郷が、Rozeboom(ロズブーム)だ。

成瀬氏お薦めのモルト
8mに8席 という贅沢な位置取り。『日常を思い起こさせる何か』 や 『隣客の動き』 が視野に入らぬよう様々な配慮が施されている。また、出入り口は客の背中側にあるため、他客の出入りが気になることもなければ常連同士の橋渡しが行われることもない。
「楽しく盛り上がるお店や、新たな出逢いに繋がる社交場は立派な先輩方が既に文化として確立されております。ただ、職場の喫煙室でも自室でも得られない穏やかな時間と空間を取り戻して愉しんでいただけましたら。」 と オーナーバーテンダーの成瀬氏が話すとおり、Relaxation と自問自答に最適なプライベート空間が確保されている。
ソファーに座り、あまりの心地良さから一息つくと カウンターが胸の高さに。視点を変えると物事が解決したり、新しいアイデアを思いつくことは屡々(しばしば)あることだ。
「お酒と人間に上下はないですから。」 成瀬氏は若いうちからお酒に関する資格やそれ以外の資格も取得しているが、より一層 ”hospitality & delicasy” を大切にしているバーテンダーである。
気がつけば理想のBARを目指すべく 自分がカウンターの内側に立っていたという成瀬氏お薦めのモルトは 花と動物シリーズ(UD社) である。
TEANINICH 10y : 「自分好みのモルト。潮の香りがするハイランドで、アイラ に飽き始めた or アイラ を卒業しようか、という方にお薦めしたいですね。」
ABERFERDY 15y : 「抽象的な表現になりますが、他のシングルモルトが 『油絵の絵画』 とすれば、これは 『大理石の彫刻』 です(笑)。 表面は丸いけれど固い。女性的なモルトで・・・例えるならば歌手ではなく芯のある演技をする古風な女優さんではないでしょうか。」
プライベートでの飲み方について伺うと、
「BARではブレンデッド・スコッチのハイボールを飲みます。自分の体調、そのお店のスタイルが何となく判るからです。20代前半は FOUR ROSES 、ワイン。後半は THE MACALLAN 12y でしたかね。 『飲むものを決めていると自分の物差しが定まってくる』、と思うのです。」
成瀬氏が好きなウィスキー
成瀬氏が好きなウィスキーはこの3本。
GLEN GARIOCH : 「サマローリ社のイタリア向けオールドボトル。ピート香が自然に出ていて、石炭のような香りが麦芽の甘さと共に自然に残る。秋刀魚の内臓のような大人の苦さも感じます。」
KNOCKANDO12y : 「飲み方、利用シーンを問わない万能なモルト。(成瀬氏の)師匠から教えていただいた意味でも思い入れのある1本です。」
WOODFORD RESERVE : 「バーボンらしいバーボン。中庸的なものが多い中、これは極端に男性的なバーボン。コクと香りが素晴らしくキック力もある。」
成瀬氏が全幅の信頼を寄せるメインスタッフに金城(きんじょう)氏がいる。元々はRozeboomへ客として来ていた金城氏、他店で店長職に就いてもカクテルの勉強のため度々訪れていたという。
縁あってRozeboomのメインスタッフとなり、成瀬氏をして 「現時点でカクテルは私よりも美味い。」 と言わしめる金城氏に ギムレット を創っていただいた。

ギムレット
”余韻を狙った美味い酒” それが ”Rozeboomのカクテル” だ。
「私(金城氏)のギムレットの捉え方は、『余韻を大事に、そして水っぽくならないように』です。ゆえに、柔らかく、しっかりと混ざるようなシェイクを意識しております。御来店いただいたときの状況や、気候、そしてお客様のお好みがあれば、それに合わせて酸味、甘味のバランスを調整して出せるよう心がけております。」
ジンに タンカレー を選んだ理由について尋ねると、
「ギムレットには或る程度シャープなイメージを持っています。ライムとの相性の良さも選択のポイントです。」
ギムレット、大工道具の一つで、コークスクリューのような形状をした”錐”のこと。誕生当時はプリマスジン とコーディアル(加糖)ライムジュースを使って甘口に創られていた。
Rozeboomでは、フレッシュライムジュースと複数の糖分を配合しコーディアルライムを創った上で、ジンと合わせギムレットに仕上げている。2つのカクテルが同居しているのだ。
”清涼感”が際立っており、甘味・酸味のバランスも良く、金城氏の優しい性格が反映されている。最後の一滴に至るまでの抑揚(よくよう)を愉しみながら、”あの名言”の意味を解き明かしてみては如何だろうか。
- 思い出は、自分本位に塗り替えてしまう傾向がある。ギムレットを飲むことで楽しく淡い想い出だけを残したい、それにはもう少し時間が必要だ。(時間が欲しい) -
成瀬氏は言う。
「 なんとなくのアルバイトからバーマンになっている人間は多い。自分も経験した同様の過去を思い出すことによって、お客様の理不尽な苦労を分かちつつ 『お疲れさまです』 と言えるバーマンは本当に少ない。金城は転職してきて”それ”に気付き、この仕事で生きてゆこうという決意が固まってきたようです」

間違った先入観はただの偏見に過ぎない。世の中は気付く人間、優しい人間が損をしている。人は誰しも only one でなく one of them だ。
「大衆や俗な物事によって押しやられている マイノリティ なお客様を救済したいだけなのです。」
学歴や名刺を捨てて何が残るというのか。思い出の他に何が残るというのか。
『初志貫徹』、頑(かたく)なまでに”BAR”で在り続けるRozeboom、自分自身を取り戻すための時間と空間が約束されている。
住所 : 東京都渋谷区笹塚2-41-17 滝沢ビル B1F TEL:03-3374-8476
営業時間:19:00〜27:00 ,ラストオーダー26:00 (土・日・祝 〜26:00 ,ラストオーダー25:00)
定休日:毎月24日
| 携帯のカメラで左のQRコードを読み取り、アクセスしてください |
<< 前のページ | 一覧表示 | 次のページ>>



