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2007年1月16日(火)
酒楽愉人がいる店 "BAR Village Wood” (新橋)  第20話 バー (ビレッジウッド) 

【ドリンクチョイスならではの秘蔵酒】 酒楽愉人が書くBlog  これまでの酒楽愉人 

 

  「ジャックダニエル 下さい」 、 「何で?」  それが始まりだった。 

 サラリーマンの聖地 ”新橋”、此処に集う店主と客は、やたらと人間臭い。客引きを無視し続け、階段を降りると其処には大人の秘密基地が。

 「いらっしゃいませ。」 やや低めの声に圧倒的な存在感、オーナーの村木(むらき)氏である。客は酒を飲みにも来るが、マスターと逢うためにやってくる。

 「19歳の頃には漠然とですが 『将来 店を持とう』 とは考えていました。 『一番得意な、一番個性を発揮できるものをやりたい』、と。そうは思いながらも、26歳までは結構本気でギター(バンド)に入れ込んでましたね。」 

 その後、某飲食チェーンに就職。店長、スーパーバイザーを経て独立へ。

 「身につけようと思ったのは、知識、技術、マネージメント、経営能力。どちらかというと ”BARのマスター” という意味合いよりも ”経営者として” という方が強かった。経営者でなくとも、『経営陣として 様々な意志決定をする』 仕事ができればスキルアップする。マネージメント力がつくだろうと。」

 独立の転機を、 「会社組織に長くいると、居心地が良くなってしまう。惰性になってしまう。40歳を超えると冒険ができなくなるなぁと。」

 男の真ん中で在り続けることを選択したマスター、”キャラだけで勝負” ではなく、自らの経験を根源とした ”生きた助言” を聴けるのも、多くのファンを獲得している理由であろう。

 そのマスターが 「新橋で一番旨い」 と言い切る ”生BEER” を注いでいただいた。

 

”新橋一の生BEER” with タンドリーチキン

  「BARでは旨いものを飲みたい。”旨いビールだから” 価値があるし、”旨いビールだから” また飲みたい。」 とマスター。自らも欠かさずに飲む生BEERは、常に最高の状態で提供される。泡がひとつとして昇らないのは、グラスが綺麗な証拠。

 「BEERって実は100点で出されることが少ないんですよ。『プレミアムモルツを造った人はこういうBEERを出したいんだろうな』 っていう想いを汲んで出せている、とは思います。 

 なぜだろう、一杯目のBEER が旨いと ”アーッ” と声にならない吐息が漏れる。

 プレミアムモルツの魅力を、「贅沢に材料を使っているのもあるけれど、深い味わいでありながら飲み口はスムース。すっきりしていながら甘味がある。甘味があるから旨味に繋がる。なんでも旨いものって甘味があるからじゃない?」

 ”自家製タンドリーチキン”で 軽く2杯はいける。 ”BARか カレー屋か迷った” レベルに在る本格インドカレー(チキン、キーマ)は、昼(12:00〜13:30)に提供されている。

 モルトについては、「日本人って料理に関しても香りを重視する。だから香りで個性を主張するモルトは日本人に合うよね。」 と話すマスターにウィスキーを紹介いただいた。

村木氏の転機となった ウィスキー

 余市シングルカスク「『 日本のウィスキー もすごいんですよ』 と1990年もの を薦められて。それまでメジャーなモルトしか飲まなかったので、これは美味いなぁと。その後モルトをいろいろ飲むきっかけになった1本 (写真は12年 Sherry&Sweet)。」

 NOAH'S MILL「モルトばかり飲んでいたら バーボン が飲めなくなった。『そんな奴でも飲めるバーボンある?』・・・それがノアーズミルだった。」

 CAOL ILA CASK STRENGTH : ラフロイグラガヴーリン とクセのあるモルトを好んで飲んでいたけれど、カリラ って違うな、と。モルトをわかったつもりになっていたときに、『驚かせられるのある?』・・・それで カスク の素晴らしさを知った1本。今でこそ カスク は当たり前だけど。」

  このBARを初めて訪れたとき、

 「ジャックダニエル 下さい」 、 「何で? いい酒だけど。」  「・・・・・・」

 「学生の時初めて出逢うウィスキーはバーボンだったりする。格好いいから。言葉の響きだったり。果たして本当に美味しいと思って飲んでいるのかな?」

 そう、”なんとなく” だった。 ”蘊蓄(うんちく)を語りやすい酒だったから” かもしれない。

 「酒でも何でも、いろんな種類がある。いろんなのを知って、初めて自分のBEST CHOICEができるはず。知らずに損をしていることがある。値段の差はさほどないのに、知らないがゆえに損をしていることが。」

 こうして、このBARで ”いろんな” ウィスキーを知っていくことに。

 「BARも相互利益でなきゃいけない。本当に美味いな、と思ってもらえる酒に出逢えたらうれしいじゃない。”酒との縁”、”人との縁”、同じ縁だよね。」

 ”人との縁” がきっかけで、ビレッジウッドのメインスタッフとなったヨーイチ氏に ”スプモーニ” を創っていただいた。

 

スプモーニ

  このカクテルを、「モルトでいえば グレンファークラス ですよ。」

 「本当はマスターが考案したのですが、お客様には 『僕のオリジナルカクテルです』、と嘯(うそぶ)くこともあります(笑)。」 と涼しげな顔でヨーイチ氏(カクテルベース : MARTINI、グレープフルーツジュース、レモンジュース、トニックウォーター)。

 ビター を中心とした3つの苦味が融合して新たな甘味が生まれる中、シャープなレモン(酸味)が心地よい。甘いカクテルが苦手な方にも受け入れられるだろう。

 「シェイクする方が空気と混ざって柔らかくなる。その中にもビターの苦味が生きる。僕はまだ経験が1年2ヶ月(2006年10月現在)なので、(シェイカーの)振り方はまだ確立できてません。 ”混ざっていること”、”冷え加減を感じ取ること” で精一杯ですよ。」 と至って謙虚でありながら研究熱心。最近では、他店へ飲みに廻るだけでなく、モルトの買い付けも行っている。

 「『独立したい』、と考えているとは思う。そういうのは応援したい。一番大事なことは、俺をあてにしないこと。”自分の店なんだ”、”俺しかしないんだ”と思った時点から初めて成長する。そういう自負を持ってやってくれれば。最初はコピーでもいい。自分の言葉にしていくんだろうし。」

 幼少期に遊んだ秘密基地、熱中した音楽に、アルバイトのインド料理、サラリーマンとして携(たずさ)わった飲食業・・・マスターの全てが此処に表現されている。

 「BARって何かを求めている人しか来ない。 儲かる 儲からない はあるけど、いろんな人と出逢えるのが一番愉しいんだよね。」

  店名の由来は、村(Village)木(Wood)でもあるが、第1 の理由は・・・・・。

  「近づいたら目標って変わるじゃない。行き着くとこまで探したい。何か絶対あるから感動するんだろうしね。」

 自己実現へ向け 模索を続ける ”秘密基地” へようこそ。

BAR Village Wood

住所 : 東京都港区新橋2-10-3  岩城ビル B1F  TEL:03-3519-7495

営業時間:18:00〜28:00 (〜25:00 土)  定休日:日曜、祝日

 ラ ン チ : 12:00〜13:30 (月〜金)

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