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2008年1月16日(水)
【ドリンクチョイスならではの秘蔵酒】 酒楽愉人が書くBlog これまでの酒楽愉人
”舞桜” -守屋酒造- (千葉)
Index
2) ”地”に徹した”酒”
3) ”地酒”は 土地の文化
「”地酒の定義” って、実は無いんですよ。 皆様がそれぞれ持っているのです。」
守屋酒造(千葉) 五代目蔵主の守屋雅博(まさひろ)氏である。 
大学では機械工学を専攻後、銀行に就職。30歳で蔵へ戻り14年目(2007年現在)を迎えている。力強い語り口調の端々からは 揺るぎない信念が伝わってくる。
守屋氏のポリシーは、”地酒は、地の米、地の水、地の気候風土が醸し、地の人情が育てる酒”
「謳っているのは、うち(守屋酒造)が考える地酒の定義です。これ(ポリシー)に どれだけ近づけられるか。”酒蔵で飲むお酒が美味しい” 理由を突き詰めて行きたい。」 と話す守屋氏、蔵を案内いただいた。
「酛場(もとば)では ”酒母を培養” しています(写真左下)。麹室は冬でも40℃ある温蔵庫になっており、”中で お米に麹菌をはぜる” のです(写真右下)。」
「これらとお米を大きいタンクに投入して、タンク一杯まで醗酵させるのが”醸造”という工程です。お米も1回に投入すると上手く醗酵しませんので、通常だと3〜4回に分けて投入します(3回なら”三段仕込み”、4回なら”四段仕込み”)。35〜40日くらい経つとタンク一杯まで醗酵を終え、アルコール分が十分に出てくるのです。」
「お酒を搾る際には、圧力自体をさほどかけず、可能な限り ”柔らかく搾る” ことを心がけております。大手メーカーさんでは”横からプレスをかける”ような機械が多いかと思いますが、うち(守屋酒造)では”縦から、一番搾りの感覚”です。」 
横式の連続蒸米機にエアシューター(写真右上)、効率化すべき作業は機械化、要所は昔ながらの手法で お酒を造っている。
「この中(大冷蔵庫:写真左)は常時7℃の設定です。大小23本くらいのタンクが在り、夏場も低温での熟成・貯蔵をかけています。通常ですと大吟醸や吟醸酒。冬場に仕込んだ生の原酒や、長いものだと20年寝ているお酒etcも奧に寝かしております。」
蔵の特徴を、「純米酒ですね。蔵の生産量から視ると、純米酒は全国平均で8%くらいしか造られていません。うち(守屋酒造)では、今年(2007年)の仕込みの8割が純米酒です。」 
目指している のは、
「京都なら”玉乃光”さん、埼玉の”神亀”さん。そういう ”純米酒だけ” 造っている蔵に近づいて行こう、尚かつ ”千葉県産米100%”で、というのが此処数年間の方針でございます。」
さらに、 「基本的に ”純米酒含めて3年熟成” のお酒を ”1つの基準”にしております。新酒としてその年に出すお酒は、生酒でお出しています。」
-なぜ3年熟成させるのか- 「焼酎でも一番美味しい飲み方と言われるのが、飲む前日に割水をして馴染ませておくこと。寝かせると 時間が醸(かも)す ”特別な何か”を、”自然が創ってくれる部分” が ”美味しい何か” を産み出すのでしょう。」
続いて 蔵のお酒 を紹介いただいた。県内産の減農薬栽培米を使い始めたのは今(2007年)から15年前のこと、
「千葉県産コシヒカリ、山武町(さんぶまち)の田んぼ指定で作ったお米で仕込んだ”味吟醸”です。現在の流行(はや)り は ”香り吟醸”ではあるのですが。」
『鮮やかなラベルですね。』
「 絵馬師の矢部宏(やべひろし)先生 に描いていただいた作品です。長光寺のしだれ桜 をモチーフにしております。」
細部に渡るまで ”地” に徹している。
「度数17°純米の原酒です。”辛口純米” と呼んでおります。深いコクを愉しんでいただきたいですね。かれこれ10年以上前から100%千葉県産米を使用しています。昔からの”千葉県産米の良さ” を味わっていただければ、と思います。」
”ジワーッ”、優しさ と 旨味 が降臨 してくる。
「千葉県産米100%で仕込んだ 度数19°、”生の原酒”です。お酒って 少しイジメながら.......、醗酵の進行過程で発生する熱を 少し寒いくらいに抑えながら仕上げて行くと ”逞(たくま)しい味わい”になるんですね。人間でも多少厳しい環境で育った人間の方がよい大人になる、みたいな。」
『守屋さん のお酒、良い意味で ”濃い”ですね。』
「 ”濃い”です。総じて ”濃い”と思います。キャラも ”濃い”ですけど(笑)。淡麗辛口という部分からすると、”淡麗でない要素” があるのも うち(守屋酒造)の特徴でしょうか。」
守屋酒造では、「元来、酒蔵は情報発信の基地だった」 との考え方から酒蔵大学、 「お酒と音楽は相性が良い。そして、お酒と音楽は、その土地に住んでいる人達の長い歴史の中で文明・文化とともに発展してきたもの」 との考え方から酒蔵コンサートを開催している。
「(飲み手が) 大手居酒屋チェーンのお酒から入って”千葉のお酒”に辿り着くまで4段階くらい在ります。逆の発想で、”地元のお酒”、”千葉のお酒”から飲み始めてみては如何でしょうか。まず地元のお酒・肴の存在と魅力に気付いてから、全国の美味しいお酒を探してみる。日本酒文化をより身近に感じていただきたいですね。」
-良き酒、心を醸す- 守屋酒造が造っているのは、地のモノだけを使った”土地の文化としての地酒”である。
醸す姿勢に情が湧き、含んで香るは想い入れ .......
創業1893年、昔ながらの手作りの良さにより磨きをかけ、連続蒸米機や全タンク冷蔵貯蔵による最新技術の酒造りによって、芳醇で新鮮な美酒を造りだしている。
蔵には1日 約100人の見学者が訪れる。
住所 : 千葉県山武市蓮沼ハ2929−2
「地酒の定義って何だと思いますか?地酒の定義って無いんですよ。皆さんがそれぞれ持っているのです。例えば”地の材料”を使って・・・いう話もございますが、(そんなお酒は)何%どころか、殆ど無いんですよね。現在は桶買いする蔵も増えてきています。自家で醸造せず、大手さんからお酒を買って、ボトリングしてお出ししている蔵も、全国的に1/3くらいは......」
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